東京高等裁判所 昭和51年(ネ)1753号・昭52年(ネ)2110号 判決
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【判旨】
よつて進んで控訴人の抗弁すなわち本件建物工事のかしの主張について判断すべきところ、控訴人は、当審において、当初本件建物工事のかしの部分を別紙1ないし7に限定したが、その後改めて別紙8ないし61のかし(大部分は原審において主張していたもの)を付加したことは記録上明らかであるが、被控訴人は、控訴人の右主張の変更について、右かしの部分の限定は、原審でしていたその余のかしに関する請求についての終局判決後の訴の取下にあたるから、その後右かしを付加することは民訴法二三七条二項に違反して許されないという。しかし、控訴人は、本件建物工事にかしがあるから、被控訴人に対しその修補に代わる損害賠償債権を有すると主張し、その一部を自働債権として本訴請求債権と対当額において相殺し、その残余の分につき反訴をもつて請求するというものであつて、そのかしの部分が多数であつても、同一建物工事のかしである以上、そのかしの修補に代わる損害賠償債権は一個であるというべく、そのかしの部分についての主張の撤回または付加は、同一債権内での態様の変更にとどまるものであるのみならず、右かしの主張を前記のとおり限定した際に、損害賠償請求額を減じているわけではないことが、記録上明らかであるから、訴訟の経過中一時かしの主張が限定されたからといつて、これをもつて請求の減縮にあたるものとすることはできず、もとより、その後のかしの部分の付加主張が民訴法二三七条二項に抵触するということもできない。
(大内恒夫 森綱郎 新田圭一)